世界でのはんこの歴史

紀元前5000年、古代メソポタミアで利用されるようになった印章は、その後、紀元前3000年ごろになると古代エジプト、またシュメール初期王朝時代などでも見られるようになります。古代エジプトでは、紀元前3000年ごろ、ヒエログリフの刻印された宗教的意味合いの強い「スカラベ型印章」が用いられたことがわかっています。

紀元前2600年ごろ、シュメール初期王朝時代の円筒印章は動物と闘う英雄が描かれていて、年度に押しつけるようにして印影を見ることができます。これはルーブル美術館に所蔵されており、非常に歴史的価値の高い印象です。

インダス文明では、インダス式印章と呼ばれる凍石性の印章が利用されており、インダス文字と共に動物の絵が刻まれていることで有名です。動物の多くはインド文化の中でも重要とされる牛ですが、中には一角獣などのこの世に存在しない架空の動物が刻まれていたり、「シヴァ神」(創造神ブラフマーに対し、シヴァ神は破壊をつかさどる神)の祖系と思われる神が刻まれているものもあります。

このインダス式印章がシルクロードを渡り古代中国に伝わりました。中国に伝わったのは戦国時代初期、紀元前4世紀から5世紀という事なので、かなり後の事です。中国最古の印象はアジア地域最古の印章と呼ばれ、殷の時代といわれていますが、これは証拠がなくあやふやなものです。そのため、戦国時代から利用されている、封泥に鉥(じ)と呼ばれていた印象が用いられていたこと、またその文献なども非常に多く見つかっているので、中国では戦国時代から利用していたと考えられています。中国の印章は芸術として発展しましたが、民間には浸透せず、印章が実用的なものとして用いられることはありませんでした。